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つるまめ(ふじまめ) |
マメ科フジマメ属 原産地…インド・東南アジア
加賀つるまめ 栄養素がいっぱい!!
つるまめは、石川県内で呼ばれている名であり、正式にはフジマメのことである。
つるまめは他にもいろいろな地方でも作られていますから「金沢特有の」というわけではありませんが、加賀料理の食材として古くから親しまれています。
フジマメはインド・インドネシアなど熱帯アジアに野生があり、インド原産の可能性が高い。インドでは3000年前から栽培されたとみられ、8世紀にはアフリカにも伝わった。中国では古くから栽培され、莢の形が蚕の蛾の触角に似ているところから蛾眉豆と呼ばれていた。
わが国には隠元禅師によってインゲンマメとフジマメと同時に(1654年)中国から持ってきたのが最初であるといわれているが、もっと古くから日本に有ったとの説もあり、定かではない。
フジマメの名称は、花がフジの花を逆さにしたような形であるところから出たようである。
フジマメには、赤花品種と白花品種があるが、赤花品種の種実は黒紫色と淡色の斑があり、それが鵲(かささぎ)の羽の模様に似ているので鵲豆と書き、これをフジマメと呼んでいた。尚、ハッショウマメ(八升豆)の種実にも同様の模様がある。
フジマメは西日本で栽培され、東日本ではほとんど栽培されない。北陸地方は本種の栽培の多い地域で、富山県では赤花で早生の蔓性品種が栽培される。石川県の金沢市で栽培されているのは白花系の品種が栽培されている。小松市で栽培されているのは赤花系で、京都伏見付近で成立した千石豆、赤花系の早生品種と同系と思われる。
石川県でいつ頃から栽培されていたか、詳しい事はわかっていないが、昭和20年代頃と思われる。現在では金沢市山麓で露地栽培、小松市近郊でビニールハウスによる半促成栽培が行われています。
加賀つるまめは金沢市農産物ブランド協会によって1998年に認証を受け、8番目の「加賀野菜」となった。生産量が落ち込んでいる金沢特産野菜の中でも比較的需要と供給が安定していることから、ブランド認定となった。
<出回り期>
5月上旬〜11月中旬(ピークは6月〜9月)
金沢市花園地区などから露地物。6月下旬〜11月。
小松市末佐美地区からハウスもの。5月〜6月。
<選び方>
独特の香りが豊かで、いきいきとした緑色のものがよい。また、日が経ってくると先端や筋の部分が赤く変色してきますので、なるべく全体が緑色のものを選びましょう。
<保存法>
水分の蒸発を防ぐ為、ラップをして冷蔵庫へ。5℃ぐらいの野菜室がよいでしょう。
ただし、もともと鮮度劣化の早い食材なので、なるべく早く食べきるようにしましょう。
<栄養価>
マメ類は栄養価の高い物ですが、つるまめもご多分にもれず、ビタミンB1、B2、タンパク質、カリウム、カロチン、鉄分、食物繊維などを多く含んでいます。漢方薬の材料として利用される事もあるほど栄養満点といえるでしょう。
◎ |
水に溶けない食物繊維が多く、便秘などの予防に効果があるといわれています。 |
◎ |
カリウムを含み、体内の余分な水分を血管の外に排出して血圧を下げるといわれる。
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◎ |
カロチン、タンパク質、鉄分を含み血行を促し、食欲増進、疲労回復に効果があるといわれています。 |
<食べ方>
ナスの炊き合わせとしてつるまめとナスの煮物、ゴマ和え、油揚げとの煮物などが夏の惣菜として一般的である。その他、天ぷら、汁の実など。幅広い用途に使える加賀野菜です。
<名称のあれこれ>
フジマメの呼び名は複雑で「物類称呼」では眉児豆、京にてインゲンマメ、江戸にてフジマメ、西国にてナンキンマメ、上総ではサイマメ、伊賀ではセンゴクマメと記しています。
「重修本草綱目啓蒙」には、このほかカキマメ、ツバクラマメ、カンマメ、トウマメ等の名が出ています。
近年の地方名をみると、関西ではインゲンマメ、その訛りのインギンマメ、九州ではナンキンマメ。地方によっては八升マメ、トウマメ、源氏マメ、アジマメなどと呼ばれ、数多くの異名を持つ豆である。
金沢では「ダラマメ」とも呼ばれている。金沢の方言で「ダラ」とは「ばか」のこと。旬には一本の木からばからしいほどたくさん採れる("ダラ"ほど採れる)という意味である。
センゴクマメ(千石豆)とは豊産を意味する名称で、岐阜、愛知県では万石豆と呼ばれている。千石船の形に似ていることから「千石豆」と呼ばれています。
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