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そら豆 |
「そら豆」(マメ科)
原産地・・・北アフリカ
栄養バランスが とりやすいのが魅力
疲労回復に最適
世界最古の農産物のひとつといわれています。原産地についてはエジプト説、ペルシャ説、カスピ海南部説などがあり、バビロフは中央アジアか、地中海地域を原産地としています。
古代にヨーロッパから北アフリカに伝わり、エジプトでは墓の棺の中から見出されていて、エジプトでは4000年前から栽培されたとみられている。
わが国には天平8年(736年)聖武天皇の時代に、インドの僧菩提仙那が中国を経て来日した際、行基に伝え、兵庫県武庫村で試作したと伝えられていますが、古い文献によると17世紀ころ、中国から伝わったのが事実のようです。江戸時代の貝原益軒の「大和本草」や越谷吾山の「物類称呼」には、さやが空に向かってなることから、そら豆の名がついたと書かれています。
また、漢字で「蚕豆」と書くのは、さやの形が蚕に似ているからで、これは中国語からきています。このほか九州では唐豆、山陰では夏豆、関西では大和豆と呼ばれているなど、日本各地でいろいろな名がつけられ、品種もさまざまありますが、一般
に出回っているものは、長さや種のさぬき長さや、大粒種の一寸そら豆などの早生種です。また、完熟した豆を利用する品種もありますが、これはフライビーンや甘納豆などの原料として使われています。日本では塩ゆでが最もポピュラーな食べ方ですが、エジプトではペースト状にして揚げたターメーヤと呼ばれるものが朝食に欠かせないとか。お国柄によって食べ方もいろいろですね。
<品種>
*一寸そら豆
一寸とはさやの長さではなく豆の大きさを表し、豆が葯3cmほどになる大粒のそら豆で、さやはずんぐりとしています。その形から別
名おたふくとも呼ばれ、現在では青果用の品種の主流になっています。良品はひとさやに同じ大きさで3粒が整然と並び、形はふっくらとしています。
*さぬき長さや
四国地方で盛んに栽培されているさやの長い晩生種で、ひとつのさやに5〜6粒入っています。一寸そら豆に比べるとやや小粒ですが、味や栄養価は変わりません。同じような形で早生品種のものもありますが、現在の生産量
はわずかで、長さやでは、このさぬき長さやが一般的です。
<主産地>
@鹿児島 A千葉 B香川 C宮城 D愛媛 など。
<出回り期>
鹿児島産11月〜4月、千葉・宮城・香川・愛媛産など5月〜7月に出回る。
季節性の高い野菜で、初夏の味覚として、ビールのつまみ、子供のおやつなどとして、消費は定着しています。
現在では、予冷、保冷技術の進歩とハウス栽培により、秋の一時期を除いて日本各地から、おいしい豆がとどくようになりました。
<選び方>
そら豆はさやから出して空気に触れると品質がどんどん低下いたしますので、できるだけさやつきで求めるようにします。
さやのふくらみが中の豆の育ち具合のチェックポイントとなる。
さやの色がきれいな緑色で、外観から見て豆の形が揃っており、背筋の部分が褐色なっていないものがよい。
むき豆は緑色が濃く、粒揃いがよいものがよい。
<保存法>
保存期間が長くなると味が落ちます。そら豆は収穫後、時間がたつにつれて、栄養も味も落ちていまいますから、できるだけ買ってきたらすぐにゆでていまいます。
特にむいたものはできるだけ早く加熱すること。食べきれない場合は冷凍保存にします。
<栄養価>
たんぱく質、糖質、ビタミンA・B1・B2・C、食物繊維などを含み単品でも、比較的栄養バランスがとりやすい食品です。なかでもビタミンB1とB2は豊富で、疲労感や倦怠感・イライラ・夏バテ・食欲不振・肥満などの解消に役立ちます。
体内の余分な水分を取って水分の代謝を促す作用があり、夏になると足がむくんでだるくなる人、むくみがあって尿の出が悪い人、お酒の飲み過ぎで顔がむくんで尿の出が悪いときなどに効果
があると言われています。 また、消化器系を丈夫にする作用があり、胃がもたれる人にも効果
的です。 疲労回復、イライラ解消、夏バテ防止、食欲増進、肥満解消、むくみ改善、利尿作用、消化器系機能の強化・・・・など。
<調理のポイント>
おつまみ、含め煮、和え物、てんぷらなどにも使えるが、ゆでて、つまみとするのが一般
的な食べ方である。
◆加熱する直前にさやから出します。 ヘタの部分を折るようにして太い筋を引き指でさやを静かに開きます。包丁で切り込みを入れたりすると、豆に傷をつける場合があるので、必ず指で静かにさやを開き、中の豆を取り出すようにします。
◆加熱(ゆでる) ゆで湯を沸かしている間に、さやから出すぐらいのタイミングが、そら豆をおいしくゆでるコツです。たっぷりの湯に塩を加えた中に入れて色よくゆで、手早くザルに上げて、うちわであおぎながら急激に冷ますと色落ちしません。また、皮に切り目を入れてゆでると早く柔らかくなります。
◆揚げる 揚げる場合はツメの部分に包丁で切り目をいれます。そのまま揚げると破裂したりして危険です。 |
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