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菜の花 |
アブラナ科アブラナ属
原産地…地中海沿岸地方
春の野菜は ビタミンCの宝庫です!!
早春の訪れを告げる菜の花。葉の鮮やかな若草色と、蕾からほんのりのぞく花の黄色、そして、口に含んだ時の独特のほろ苦い風味が身上です。
菜の花は地中海沿岸地方が原産の植物で、日本には弥生時代に中国から渡来したといわれています。当初はほとんど照明用の菜種油の原料として、種子採取を目的に栽培されており、食用に栽培されるようになったのは、明治時代以降です。
最近、栄養価の高い緑黄色野菜として食用物が人気を呼び、栽培面積も微増している。
花が咲く前に収穫し、つぼみ部分を食べる。業務用を主体とした高級品だったが、品種改良などで出荷が長期化、手軽に家庭であえ物などが味わえるようになりました。
季節感も手軽に味わえて、栄養価でも優れているところが消費者に評価されています。
<品種>
菜の花は、花蕾、葉、茎を食用とする野菜。
商品化の方法により、次のように分類されます。
【主として花蕾を食するタイプ】
健康、サカタ88、南九州20号など。
椀種や辛しあえなど主に日本料理に用いる。京都の菜の花漬けは特産品として、よく知られています。ほろ苦さと特有の香りが春を感じさせ、食卓を演出する。塩茹でにしてサラダに、バターソースをからめて魚料理につけあわせるなど洋風料理にもアレンジできる。
花蕾タイプは花が咲かないよう管理に注意が必要です。
【主として葉茎を食するタイプ】
オータムポエム、三陸つぼみ菜、早陽2号など。
おひたし、ごま和え、ベーコンと炒めるなど、小松菜やほうれん草と同じ感覚で使えて料理の幅も広い。クレソンのように肉料理のつけ合せに、また、しゃぶしゃぶにしてもおいしく食べられます。
<主産地>
≪花蕾タイプ≫
千葉県が全体の49%を占め、次いで香川、徳島、高知など。
≪葉茎タイプ≫
三重県が全体の37%を占め、次いで福岡、群馬、岐阜など。
<出回り期>
最盛期は1月〜3月で、近年は出回り期が拡大しており、12月、4月の出回りが増加しつつあります。
<選び方>
◎ 花蕾の菜の花
軸の切り口がみずみずしく、中心まで緑色のものがよい。中心部が白くなっている物は老化した物である。水を吸うと花が咲いてしまうので注意する。
◎ 葉茎型の菜の花
軸の切り口がチェックポイントとなる。濃緑で葉の張りがよいものが品質もよい。
<保存法>
買ってきたらまず、束ねてあるゴムバンドなどをはずし、1本ずつ軽くさばきます。その日のうちに食べない分は湿らせたキッチンペーパーで全体をゆるく巻き、さらにラップで包んで、花のほうを上にして冷蔵庫の野菜室に入れます。できるだけ早く食べるようにしましょう。
ゆでたものはラップに包めば冷凍保存ができます。長期保存は塩漬けに。
<栄養価>
菜の花は栄養価の高い緑黄色野菜です。良質のタンパク質、多種のビタミン、ミネラル類に富み、かつ有効な機能成分アルカロイドを含み、俗に言う「花粉健康法」として、便秘、ストレス解消、疲労回復などに効果があります。特に、春は進学、就職、転勤など、生活環境の変化する季節です。精神的なストレス、イライラが募る時でもあります。
菜の花はカルシウムと共にビタミンB群をも供給し、精神を安定化するのです。
また、春は「春眠暁を覚えず」と、とかく眠い季節です。ビタミンB群は体内で糖(炭水化物)を燃やしエネルギーに変えます。
また、アミノ酸の代謝をも促進します。その結果、体に活力を与え、眠気がフッ飛びます。
春にほろ苦い菜の花を食べ、新生活に元気よくスタートして下さい。
●菜の花の一夜漬け
菜の花のおいしさをまるごと味わえるのが菜の花の一夜漬け。
漬け物にするときは、まず菜の花の茎の硬い部分を切り、盆ザルにのせて熱湯を回しかけます。そのまま手早く冷まして水気を絞り、ボウルなどに入れて重量の2〜3%の塩をふり、重しをのせて一晩おきます。
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