もも(桃)




バラ科モモ属 原産地…中国

モモは実も花も葉も 種の中の仁も…すべて薬用に!!

 
果肉が白く、いわゆる水蜜桃といわれるような、したたる果汁と軟らかな果肉を持つモモは日本独特のもので、欧米では黄桃がほとんど。原産地の中国にもこれほどおいしいモモはないだろう。
 モモは漢名を仙果、仙人桃などという。古名は三千代草(みちよぐさ)とも呼ばれ毛桃(けもも)ともいった。
 中国黄河上流の陜西省の高原地帯が原産地とされる。中国の栽培の歴史は古く、黄河の北から揚子江の南部、ヒマラヤの南部にまで野生種やさまざまな栽培品種が分布する。
 紀元前にペルシアに伝播し、その後ヨーロッパ諸国やアメリカに広がった。
 日本へは弥生時代に伝わったと考えられ、この時期の遺跡から核が出土しています。
 江戸時代には日本各地に産地が形成されたが、現在の品種は明治初期に中国や欧米から導入された品種をもとに育成された物が中心となっています。
 日本独特の白桃種ができてから、日本のモモに革命が起きたといっても過言ではない。

<品種>
 明治初期に中国から導入された水蜜桃をもとに育てられた白桃種の系統を引く物がほとんど。また、果肉にうぶ毛のないネクタリンや、欧米で主流の黄桃も桃の仲間。

《白鳳》
現在、市場の主流を占めているのが白鳳。赤みがかった果皮と白い果肉。果汁たっぷりで甘みが強く、日持ちするモモです。 ハウス栽培のものは4月頃から出回りますが、露地栽培のものは7月上旬頃に出回る。

《白桃》
中国の水蜜桃を改良し、岡山県で生まれた、日本独自のモモ。果肉は白く、上品な甘さ。果汁が多く、とろけるような味わいで根強い人気です。関西は白桃に袋をかけるため、色が白く上品でなめらか。関東は無袋なので、甘みがたっぷりのります。 旬は8月。

《黄桃》
日本では加工用が多かった黄桃も、最近は生食用のおいしい品種が出回るように。黄色に赤をぼかしたような果皮、歯ざわりの良い果肉、甘みも濃厚でジューシー。 黄金桃≠ネどの品種があります。旬は8月〜9月。

《蟠桃(ばんとう)》
押しつぶされたような特異な果形を示し、核も偏平である。外観に似合わず品質は良好で果汁も多く食味も良い。山梨県や岡山県で少量生産されています。旬は7月中旬〜8月中旬。

《ネクタリン》
果皮にうぶ毛がなく、ツヤツヤと光沢のある桃。『油桃』とも呼ばれます。果肉はおもに黄色で芳香があり、さわやかな甘酸っぱさ。ギリシャ神話の神神の美酒"ネクター"からきた名だけに、果汁は豊富で、生食はもちろん、ジュースにもよいフルーツ。旬は7月〜9月

<主産地>
1.山梨、2.長野、3.福島、4.和歌山、5.山形 ・・・・・・・など。

<出回り期>
 夏の旬果物として消費に当たり、降雨量によって品質が左右される果物である。時期の短い夏果物の主力品目として、消費は好調である。近年は日川白鳳など早生種の進出が目立つ。
 ハウスものは4月〜6月。露地ものは6月〜9月。
 石川県では金沢、能登地方で栽培されています。金沢市近郊(崎浦、富樫、浅川地区)については、7月上旬頃より出荷されます。

<選び方>
 形が整って押し傷のないもの。ふっくらとみずみずしいものを選びます。
 果皮の赤みの部分に泡状の点々・果点のあるもので、これは枝の先端になったもので、非常に甘みがあります。 果皮に青みが残っているうちは未熟なので、紙などに包み、風通しの良い場所に置きます。芳香が出てきたら食べごろです。


<保存法>
 モモは冷蔵庫に入れて保存しないほうがいいフルーツの一つです。低温障害を起こしやすく、押されて痛んだ部分が少しあっても、冷やす事によってすぐに味が損なわれる。
 食べる2〜3時間前に冷やすと甘みや香りを損なう事がない。


<栄養価>

 食物繊維が豊富で、便秘予防に最適です。
リンゴ酸やクエン酸も多く、多汁で香りが良い事から食欲増進にも役立ちます。また、カリウムも期待でき、果肉の色の濃いものはビタミンAも多く含んでいます。血液の循環をよくする。皮膚を滑らかにする。腸を潤して消化を助けるなどの効果があります。
 夏の口渇・便秘・生理痛・高血圧予防に……。
 朝夕1〜2個のモモを食べましょう。
種の中にある仁は"桃仁(とうにん)"と呼ばれ、漢方生薬として用いられ、血液の循環を良くする。また、美容などにも良いといわれています。
花を乾燥させて作った花茶は便秘の予防に。
刻んだ葉を濃く煎じ、20〜50倍に薄めて、うがいをすると口内炎に効果があります。
刻んだ葉を袋に入れて入浴剤にすると、あせも、かぶれ、湿疹などに効くといわれています。

<モモの上手な皮のむき方>
 モモは果頂部から枝付きの方向に繊維が走っています。そのため果頂部の方から皮をむくと果肉面は滑らかですが、枝付きの方からむくと果肉はケバ立ってしまいます。
 皮がむきずらいときは、トマトの湯むきの要領で、湯につけてから冷水につければ簡単にむけます。

<モモのあれこれ>
 日本では古来より、モモは悪魔や病魔を退治するくだものだと信じられていた。
 たとえば、「古事記」にはイザナギノミコトが死んだ妻のイザナミノミコトを訪ねて黄泉〔よみ〕の国に行き、魔女に追われて逃げ帰るとき、モモの実を三つ投げて防いだという話があります。
 桃太郎の童話も、モモの精の太郎が鬼(悪霊)を退治するのがテーマとなっている。
 古代から中国人にとっての蟠桃は単なる果物以上の仙果≠ニしての意味を持つ。この伝承は西王母〔せいおうば〕、中国で古くから信仰されている仙女の故事からきている。
 天界の蟠桃園には、3千年、6千年、9千年にそれぞれ一度だけ実をつけるモモの木があり、食べるとそれぞれ仙人となり、不老長寿、天地日月と同じだけ生きられる。不老長寿を願っている漢の武帝に、西王母がこのモモの実を与えたという話です。
 西遊記≠フ中では孫悟空がこの蟠桃園の管理を任されて、大暴れするのも、モモの摩訶不思議な力のためか……。


 歴史と物語りに包まれた蟠桃を食べると、長生きできそうな気が致します。