マーコット




ミカン科・カンキツ属
原産地…アメリカ・フロリダ

さわやかな香り・ビタミンCが豊富なうれしいフルーツです。

 マーコットは大きさや形は温州ミカンに似ていますが、皮がとても薄くて色は赤みがかっています。さわやかな香りをもち、甘味・酸味がよく調和して風味がきわめて濃厚なミカンです。

 マーコットの由来はハッキリしない。1916年(大正5年)以前から、アメリカ・フロリダ州マイアミで農務省から委託され栽培していたものといわれています。交配の親は不明ですが、スイングル博士らの育種事業によって育成されたタンゴールであろうといわれています。その後、1922年(大正11年)にフロリダの苗木農家であるチャールズ・マーコット・スミス氏により芽接ぎ繁殖されたため、この名が付けられた。
 1928年(昭和3年)に商業的な苗木生産が開始され、1944年(昭和19年)にスミス・タンゼリンとして果 実が初出荷された。現在もアメリカ・フロリダ州やブラジルでも生産されています。
 日本へは1954年(昭和29年)に種子が導入されました。その後、1961年(昭和36年)に穂木が導入されました。日本では露地栽培には少々気温が低いため、ビニールハウス内の温室で手をかけて栽培されています。

 タンゴールとはミカンとオレンジの交雑種です。オレンジのような芳香と風味があるのが特徴。伊予柑・清見等は同じタンゴールの仲間。

 果重は100〜150g前後。果形は扁円形、果面は紅橙色の光沢があり美しくなめらかである。若干の種子があります。果 皮は薄いが、皮が剥きにくいため、ヘタの方からむいてください。果 汁は豊富で、甘味・酸味がよく調和し濃厚なおいしさが楽しめます。


<出回り期>
 加温・無加温栽培があり、1月〜4月。

<主産地>
 @長崎県 A愛媛県 B佐賀県など。


<選び方>
 形がよく、果面にキズがなく、なめらかでツヤのあるもの。手に持って重量 感のあるものがよいです。

<保存法>
 風通しのよい冷暗所に置く。
 ポリ袋などに入れ、乾燥を防ぎ、冷蔵庫に。

<栄養価>
 さわやかな香りをもち、ビタミンCが豊富で低カロリーという、うれしいフルーツです。また、袋(じょうのう)についている白い筋にはビタミンPが多く、動脈硬化防止に効果 があります。

<柑橘はビタミンCの代表選手>
※子供たちの骨の成長を促進します。
 柑橘類にはビタミンCが非常に多く含まれており、みかんを例にとると、約2個の摂取で一日の所要量 を満たすことができます。
 ビタミンCの体内での大きな仕事は、結合組織やコラーゲンという細胞間物質を強くして、それらの働きを円滑にできるようにすることです。
 コラーゲンは細胞と細胞の間をつなぐ役目をしていますが、成長期の子供たちの骨をしっかりとした構造にし、また、歯ぐきを丈夫にするためにも大切な働きをします。

※風邪にかかりにくいからだをつくります。
 ビタミンCの多いみかんを食べていれば風邪にかからない、とは昔からいい伝えられてきたことです。実は、これはビタミンCにとって大変本質的な意味をもっています。ビタミンCには白血球中の風邪に対する免疫力を強くする働きがあることが発見されたからです。また、ビタミンCを十分に与えたネズミに風邪ウイルスを植えつけても育たないということが、実験により明らかにされています。
 こういった裏づけから、柑橘類を食べる習慣の大切さがあらためてクローズアップされているのです。

※ストレスをやわらげる効果もあります。
 現代社会では、大人から子供までが大変なストレスにさらされています。たとえば、夏の暑さや冬の寒さもストレスの一種だといえます。また、最近の若い女性の肌のトラブルはほとんどが偏食による栄養バランスの乱れとストレスに原因があるといわれています。
 しみ・そばかす・日焼けのしすぎなど、これらの肌のトラブルを予防するには、ビタミンCが有効であることは古くから知られています。
 ストレスに対して十分に対応でき、十分に強い体を維持するためにも、柑橘類の摂取はとても大切なのです。