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キャベツ |
アブラナ科アブラナ属
キャベツは一年中美味しさを 求めることができる野菜!!
春キャベツと冬キャベツを交互に栽培することで周年出荷が可能になり、一年中、旬の味が楽しめます。サイクルは、春にまいて初夏から秋に収穫。夏にまいて秋から春にかけて収穫。秋・冬にまいて春から初夏に収穫と言うように、いつでも市場に出回るように改良された結果です。
<履歴>
キャベツはヨ−ロッパ原産の古い野菜で、紀元前7〜8世紀の古代ギリシャ・ロ−マ時代には、すでに胃腸の調子を整える保健食として食べられていたようです。
野生種は結球しない葉キャベツでしたが、その後、栽培が進む中で姿、形も変わり、結球しないまま葉が発達したケ−ル、結球して赤紫色になった紫キャベツ、腋芽(えきが)が結球した芽キャベツ、茎が発達したコ−ルラビ、花茎と花蕾(からい)が肥大したブロッコリ−やカリフラワ−など、多数の種類が誕生しました。
ゆるく結球するタイプのキャベツは13世紀にヨ−ロッパ各地に広まり、さらにアメリカにも伝わって品種改良が繰り返され、現在のキャベツの形になったのです。
日本には江戸時代に初めてオランダから渡来し、和名で甘藍(かんらん)と呼ばれ、もっぱら観賞用として使われていました。食用の野菜として本格的に栽培されるようになったのは欧米の品種が入ってきた明治以後のことで、大正、昭和にかけて、日本の風土に合った品種が盛んに作り出されました。
<品種>
[寒玉]
秋から冬に出回る最もポピュラ−なキャベツで、冬キャベツとも言います。形は扁平で巻きが硬く、葉もやや硬めですが、煮くずれしにくく、寒さにあうと甘味も加わるので煮込み用に適しています。
[春玉]
早春から初夏にかけて出回るキャベツで、新キャベツ・春キャベツとも言います。寒玉や夏秋に出る品種とは違い独特の丸みがあり、巻きがゆるやかで葉が柔らかいのが特徴です。
比較的、中のほうまで濃い緑色をしており、みずみずしくて甘味もあるので、サラダや即席漬け、炒め物にするとおいしさが引き立ちます。
[丸玉]
小ぶりの球形で巻きが硬く、葉の中まで濃い緑色をしているのが特徴です。寒玉と春玉の良さを併せ持つキャベツで、葉に厚みがある割には柔らかく、色も鮮やかで、サラダにもス−プ煮にも向く万能選手です。寒さに弱いため、冬の季節以外の出回りとなります。
[紫キャベツ]
葉の表面が赤紫色をしており、赤キャベツとも言います。普通のキャベツより小型で、巻きはしっかりしています。葉に厚みがあり軸の内部は白いので、切り口の色のコントラストが鮮やかです。美しい彩りを生かしてサラダや酢漬けにするのが一般的で、酢に漬けると色がひときわ鮮やかになります。
[芽キャベツ]
キャベツの親戚で葉の付け根の腋芽(えきが)が、直径2〜3cmに結球したもので、一株に50〜60個ほどびっしりつきます。一年中出回っていますが、霜が降りてから2月までに収穫される物は柔らかく、甘味も増しておいしくなります。栄養価が高く、ビタミンCはキャベツの3倍以上含んでいます。
<選び方>
"葉を見てから、手にとって見る"
外葉が濃い緑色で艶があり、見た目より重さの感じられる物は巻きが硬くて新鮮です。半分に切った物は、葉の隙間が詰まっていて、中央の軸の高さが全体の2/3以内の物を選びましょう。軸が伸びすぎた物には苦味があるので注意しましょう。
<保存法>
"芯はすぐにくり抜いて保存"
買って来たらすぐに切り口に包丁の先を入れ、ぐるりと回して芯を切り抜いてしまいます。使いかけを残すと、芯の回りから傷み始めるからです。、芯をくり抜いたら、外葉から1枚ずつはがして使いますが、残りは、冬なら新聞紙に包んで冷暗所に置き、夏ならラップに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
※切り方《料理に合わせてきり方を変えます》
せん切りにするには、葉を1枚ずつはがして硬い軸の部分を三角形に切り、縦5〜6cm幅に切ってから4〜5枚重ね、端からごく細く切っていきます。一度にたくさんのせん切りを作る場合は、キャベツを丸ごと4つ割にし、さらに斜め半分に切ってから上の方は繊維に沿ってきり、根元の方は繊維に直角に切ります。こうすると軸の部分が少なくなり、歯触りが良くなります。炒め物にする場合は、4〜5cm角の角切にするほうが口当たりが良くなります。
※食べ方《和・洋・中華に幅広い用途がある。大衆野菜の代表》
★ 外葉は炒め物、ロ−ルキャベツなどに。
★ 重なった葉はそろえたまません切りにして生で。
★ 内側の葉はゆでてあえ物などに。
★ 芯は薄くそいで漬物に。
生食・・せん切りにしたキャベツは、たっぷりの氷水に10分程つけた後に水を
切り食べると、シャキッとして歯触りが良いです。また、ドレッシングで
あえる時には、食べる直前にあわすと、サラダが水っぽくなりません。
炒め・・炒めるときは同じ大きさに切り、強火でサッと炒めると、油がほど
よく回り、歯触りが残っておいしくいただけます。
煮る・・ゆでたり煮込む場合には、栄養素が損失しやすいので、加熱時間を
できるだけ短くし、栄養素の流失した煮汁ごと食べる献立を工夫すると
良いでしょう。
※芽キャベツの扱い
芽キャベツは巻きが硬くて火が通りにくく、やや苦味があるので底に包丁で十文字の切り目を入れ、塩少々を加えた熱湯でゆでて、アクを抜いてから調理します。形のかわいらしさと彩りを生かして、シチュ−やグラタン、バタ−ソテ−
等に使います。
<栄養と効能>
"芯の回りに多い、ビタミンC"
ビタミンCの含有量が100グラム中41ミリグラムと多く含まれ、熱による損失も、ほうれん草に比べると少なく安定しています。キャベツの芯の回りに、特に多く含まれているのが特徴です。
外側の葉には、カロチンが含まれており、ビタミンAの効力があるとされています。また、ビタミンUも含まれ、血圧調節、抗潰瘍性に優れた効果が期待されています。
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