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ぎんなん |
「ぎんなん」(イチョウ科 イチョウ属)
原産地・・・中国
滋養強壮・老化防止に効果!!
ぎんなんはいうまでもなくイチョウの木の果実の呼び名。果実と紅葉で、人を和ます銀色のアンズとして、古くから食用として親しまれています。
イチョウの木は中国原産で、古生代から今日まで生き残っている「生きた化石」と表現されています。
イチョウの木は落葉高木で雌雄異株、4月に若葉と同時に花が咲き、花粉が風に乗って雌花につく、雌花についた花粉は秋に精子を出し、雌花の中で受精する。
イチョウの木が精子を持つ事が発見されたのは、約100年前のことである。
イチョウの木は欧米にはない木で、いまは中国、台湾と日本にしか見られないといわれています。
日本には古い時代に中国から仏教と共に朝鮮半島を経て渡来し、神社、仏閣などに多く植えられました。その後、公園、街路樹、防災樹によしで、人とのかかわりあいが深い木です。
<品種>
◆金兵衛(きんべい)
果実は3〜4グラムの中粒で、外観はややよくないが、たくさんなるのが特徴です。苦みは少なく、品質はよい品種です。
熟すのは早く、9月下旬頃です。
◆久寿(ひさじゅ)
果実は5グラムの丸形で、粒ぞろいも品質も味もよい半面、貯蔵性のないのが欠点です。
熟すのは10月上〜中旬の晩生種です。
◆藤九郎(とうくろう)
果実は豊円形の4グラム程度、粒ぞろいがよく、殻の表面はすべすべして、光沢があり、薄くて割りやすいのが特徴です。味はよく、貯蔵性もあり、評価は高いが、収量は少ない。
10月中旬に熟す晩生種です。
<出回り期>
かっては放任されたイチョウの木(散在樹)が多かったが、最近は園地栽培が行われています。
新物は7月〜11月に出回ります。貯蔵物は12月〜3月に出回ります。旬は晩秋。
<主産地>
(1) 愛知県 (2)福岡県 (3)大分県 (4)新潟県
(5)徳島県 ……など。
金沢市場には、愛知、岐阜、富山、石川県産など出回る。
また、秋田県産のむきぎんなんも出回ります。
<選び方>
殻につやのある白いものを。粒が大きくて、よく乾燥したもの。中身が詰まっているものがよい。
新鮮なものは皮をむいてゆでると、きれいなエメラルド色に、ただし時間が経つと黄色くなってしまうので、注意が必要です。
殻が黒ずんでいるものは古くなった証拠なので、避けた方がよい。
<保存法>
陰干しでよく乾燥させたぎんなんは殻のままビニール袋などに詰めて冷涼な場所に置くか、冷蔵庫に入れる。
<栄養価>
ぎんなんの食用部分は殻の中の胚乳部分で、脂質、糖質、たんぱく質、ビタミンA・B群、ビタミンC、鉄分、カリウムなどを含みます。
滋養強壮、強精効果のほか膀胱や肺をあたためる働きがあり、頻尿や夜尿症の改善、ぜんそくの治療、せき止め、たん切りなどに効果があるといわれています。
中国では、昔からスタミナ食や薬用としても知られ、ごま油に漬けたものは強壮食、また、空いりしたものは夜尿の薬としても有名です。
※注意点
一度にたくさん食べると消化不良を起こしたり、のぼせたり、鼻血を出したりする事があります。
子供は1日4〜5粒、大人でもせいぜい10粒程度に控えるのがよいといった報告があります。食べ過ぎないようにしましょう。
生食も避ける事。
<利用法>
ぎんなんはヒスイ色で柔らかく、かすかな苦みと特有の風味があります。
ぎんなんごはん、茶碗蒸、ガンモドキやかき揚げなどに。
塩茹でや、塩炒りにしただけのものも酒のさかなに喜ばれます。
用途が広く、小料理に欠かせない食材です。
<調理のコツ>
▲硬い殻を上手に割るには……
ぎんなんの硬い殻は、専用のぎんなん割りがあるとパチンと簡単に割れます。ない場合はペンチか包丁の背を利用する。
ペンチの場合は、殻についている2本の筋を上下にしてはさみ、軽く力を入れるのが、うまく割るコツ。力を入れ過ぎると中身がつぶれてしまいます。
包丁で割る場合、ぎんなんを押さえ、包丁の背で筋の部分をコンコンとたたくと、ひびが入ります。あとは指で殻の筋を両側から押せば、簡単に割れます。
▲薄皮はゆでながらむいて……
殻をむいたぎんなんの実には、薄皮がついています。そのまま食べるとザラッとして苦いので、むいてから使います。
むき方は、ひたひたの水を入れた鍋にぎんなんを入れ、ゆでながら玉じゅくしの背で転がすようにすると、薄皮がペロッとむけてきます。7〜8割むけたら、水にとって指で完全にむきます。
これを冷凍すると、長期の保存も可能です。
<ぎんなんの果肉を取り除くとき かぶれ防止に……ゴム手袋を!!
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秋に黄色く熟して落ちる果実を集める時は、素手で果肉を取り扱うとかぶれることがあるため、ゴム手袋などを用いましょう。
※ ボウルに水をたっぷり入れて、中にぎんなんを沈め、水中で果肉を取ります。こうすると、悪臭も漂わず、きれいに果肉が取れます。あとは、殻をつけたまま、ザルにのせてよく乾燥させればよい。
※ 土をかけたり、穴に埋めて10日ほどおき、果肉を腐らせてから水洗いして殻だけにした後、よく乾燥させればよい。
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