オクラ




「オクラ」 (アオイ科)
原産地・・・アフリカ東北部

栄養豊富な緑黄色野菜 夏バテ防止に!! スタミナ補給に!!

オクラには独特のぬめりがあり他の野菜とともに、舌ざわりや歯ざわりを楽しむために利用される。これらの野菜は健康志向や食生活の多様化から見直され、また、栄養的にも優れており、消費も増加傾向にある。
原産地には諸説がありますが、アフリカ北東部の原産説が有力です。
2000年前にはすでにエジプトで栽培されていた、とても古い野菜の一つです。
アメリカには18世紀に伝わり、栽培が広まったのは19世紀以降である。
日本には幕末期に渡来したといわれ、明治6年の記録が最初のものとされています。わが国ではアメリカから渡来したとしてアメリカネリと呼んだが、現在ではむしろ英名のオクラが日本名になっている(アメリカではグンボとも呼ぶ)。
尚、アメリカネリのネリとはトロロアオイのことで、根に多量 の糖質物を含むところからトロロアオイと呼ばれた。
オクラは戦前から野菜の一つとして園芸書に載っています。しかし、食用としてはほとんど栽培されなかった。ただ鑑賞用として栽培したり、コーヒーの入手が困難であった戦時中は、オクラの完熟種子がコーヒーの代用品として珍重された程度であった。
第2次大戦後、台湾、東南アジアなどでの生活の経験者が内地に帰還し、これらの人達が食べ慣れたものとしてわずかに栽培し始めた。また、高知県あたりで夏のハウスを活用できる野菜として高温性のオクラが選ばれ、栄養豊富な食品として宣伝し、料理法などを説明した印刷物を添えてパック詰めして出荷した。戦後のサラダの利用が増えてきた時期でもあり、これが消費者にうけて爆発的な人気がおこり、消費量 の増大に伴って鹿児島県から秋田県まで各地に産地が生まれました。

<品種>
◆オクラ
代表的な五稜形のオクラで、長さは5〜6pの若さやです。開花後5日目ぐらいの未熟さやが最もおいしいといわれ、大きすぎるものは敬遠されます。全体が白いうぶ毛で覆われているのもオクラの特徴のひとつです。

◆ミニオクラ
長さが3pほどのかわいいミニオクラは、オクラよりもさらに早採りされたもので、おもに料理の添え物として使われます。柔らかくてジューシーなので生のままサラダに使っても美味しいですが、料亭などの需要がほとんどです。

◆赤オクラ
生産量は少ないが、果 色が赤く、ゆでると緑色に変わるので生食されます。

<出回り期>
旬は盛夏ですが、最近需要の急増とともにハウス栽培も盛んで、通 年出回るようになりましたが、11月〜4月の国産の少ない時期には、タイ、フィリピンから輸入されています。

<主産地>
@高知  A鹿児島 B沖縄  C宮崎  D熊本 … など。

<選び方>
さやがみずみずしく緑色が濃く、表面にうぶ毛が密生し、ヘタが若々しく五角の稜線がはっきりしたものがよい。さやの褐変は、低温により顕著に現れる。

<保存方法>
オクラはとても傷みやすいやさいなので、できるだけ早く使い切るほうがよいです。 オクラは乾燥と低温に弱いので、保存はポリ袋に入れて乾燥を防ぎ冷蔵庫の野菜室へ入れます。4〜5日が目安です。 生でも茹でても冷凍ができるので、1本1本ラップに包んで冷凍庫へ入れます。 しばらく持ちます。

<栄養価>
オクラは緑黄色野菜で、栄養的にも優れています。 カロチンやビタミン群はもちろん豊富で、カルシウムや鉄、カリウムなどのミネラルも含んでいます。また、独特の粘りの成分は、タンパク質の吸収を助ける働きがある。脳への刺激を活性化させるガラクタン。毒素を体外に排泄する働きのある食物繊維のペクチンなどです。ペクチンには整腸作用があり、便秘・下痢といった、おなかのトラブルに有効です。昔からネバネバしたものには強精効果 があり、消化を助ける働きをするとされています。

<調理のコツ>
オクラの表面 のうぶ毛は食感にさわるので、取り除いてから調理します。このうぶ毛は水洗いして塩をまぶし、手でこすると簡単に取れ、緑色もさえます。体によい粘りを多く摂るには……オクラの粘りは、組織が破壊されると多くなります。 そのため、生食では細かく刻んで使い、和え物には30秒ほど加熱して粘りけを出すのがいいでしょう。また、加熱しすぎると粘り成分が外にとけ出してしまうので、煮汁も生かすシチューなどに入れてもよいです。ビタミンB群やCを期待するなら、生で食べるか、スープ煮のように汁ごと食べられる料理を。ペクチンも生で食べたほうが効果 があります。ビタミンAを効率よく摂取するには、炒め物や揚げ物など油を使った料理にします。 ※ 生食、和え物、てんぷら、ソテー、とろろ、サラダ、バター炒め……など。

<こぼればなし あれこれ>
オクラの種子はコーヒー豆に似ていることから、かってイギリスやフランスではコーヒーの代用品として栽培したこともあります。しかし、本物とはほど遠い味だったのでいつの間にか消滅しました。やはり野菜として食べることに落ちついたようです。オクラはその形から豆類のように、茎から垂れ下がったような形で実を結ぶと想像しがちですが、じつは花の咲いたあとそこから実が大きくなるので、なんと上にむかって茎に着いています。