もやし




「もやし」(マメ科)

豆もやしは低カロリーでダイエットに最適の野菜!!

もやしとは植物名ではなく、芽し、萌し、生しという意味で、米、麦、豆類、野菜などの種子を水に浸し、暗所で発芽、生長させたものです。
 通常、もやしというと、豆類から作られたものをさし、なかでも"けつるあずき"から作るブラックマッペと、緑豆から作る緑豆もやしが最も多く市場に出回っています。そのほか、大豆から作る大豆もやしや牧草の種子から作るアルファルファが、糸もやしともよばれ人気があります。
 近年は、食物繊維を多く含んでいるもやしが、健康的側面が見直され、需要は安定しています。
 豆もやしはわが国では古代から薬用として黒大豆のもやしが用いられ、江戸時代になってからは食用にも用いられた。
 もやしは東北や九州などの農村で、350〜400年ほど前から利用されており、大正時代に入って大都市圏でも利用され始めました。

<品種>

◆大豆もやし
 大豆を水に浸して暗所で発芽させたもので、5〜10pほどに伸びたら頭に豆をつけたまま収穫します。根も切って出荷するので別名、根きりもやしとも呼ばれます。太くて長く、ほかのもやしに比べてタンパク質に富み、アミノ酸によるうまみの強い品種で、韓国料理のナムルやビビンバの具には欠かせないものです。シャキシャキした歯触りが身上ですが、豆の部分が火が通りにくいので豆の煮えた甘い香りがするまで加熱して用います。
◆緑豆(りょくとう)もやし
 グリーンマッペとも呼ばれる大豆に似た緑豆を発芽させて作るもやしで、茎が長くて太く、光沢のある白色が特徴です。甘味があっておいしい品種で、豆の状態ではあまり含まれていないビタミンCが発芽のとき生成されますが、ビタミンCは水溶性のため溶けやすいので、水につけて売られているものは避け、真空パックの袋詰めを求めましょう。
◆ブラックマッペ
 けつるあずき(ブラックマッペ)を発芽させて作るもやしで、黒い種皮をかぶっています。原料の豆はほとんどが東南アジアや中国からの輸入品で、栽培しやすい品種です。以前は緑豆もやしや大豆もやしが多く流通していましたが、現在では安価なブラックマッペが主流になっています。通常、もやしといわれるのはこの品種です。
◆アルファルファ
 日本名を「紫うまごやし」という、牧草の種子を発芽させたもやしです。糸のように細くて柔らかいので糸もやしとも呼ばれます。
 タンパク質、無機質、ビタミン類に富み、コレステロールを下げる効果もあり、欧米では「食糧の父」ともいわれています。やや青臭みがありますが、シャリッとした歯触りとうま味を生かし、さっと洗ってサラダにします。

<選び方>
《全体に白く、根の透明感のあるものを》
 もやしは鮮度が命です。全体に白っぽくて茎が太く、折れていないもの、根がパリッとして透明感のあるものが新鮮です。芽や根が褐変して、しおれているものは古く、豆が開いているものは栽培しすぎです。水につけて売られているものや袋の中の水が濁っているものは避け、豆の形がくっきり出るくらいきちんと真空パックされたものを選びます。

<保存法>

《買ってきたら、その日のうちに使いきって》
 もやしは日持ちが悪いので保存には適さず、真空パックのものでも冷蔵庫で1〜2日が限度です。買ってきたらその日のうちに使いきるのがベストです。
 もしも残ってしまったら、さっとゆでて水気をよくきり、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しますが、翌日には食べきることです。安いからとまとめ買いせずに必要な分だけ買い求めましょう。

<栄養価>
 もやしは、豆を発芽させることによって豆のときにはなかったビタミンCが生成されるほか、肥満や動脈硬化の予防に効果のあるビタミンB2が、豆のときの約3倍に増えます。また、食物繊維が豊富で豆よりも吸収されやすいタンパク質やカルシウム、鉄分も多く含まれます。低カロリーなので欧米ではダイエット食品として注目されています。

<調理のポイント>
炒め物、汁の実、スープ、和えもの、三杯酢、鍋もの……など。
※もやしのひげは取ったほうがよいか?
 もやしのひげには繊維質が豊富に含まれてます。また、取ることによってビタミンCなどが流出することも考えられます。料理を美しく仕上げるには取った方がよいのですが、栄養的には取らない方がよいですね。
※調理するときに洗った方がよいか?
 無農薬で作られ、出荷時に洗浄されているので、そのままで大丈夫ですが、気になる人は洗ってもよいでしょう。ただし、ビタミンCは水に弱いので、強く洗わないほうが栄養のためにはよいでしょう。