「くわい」(オモダカ科)
原産地・・・中国
"芽が出る" 縁起ものの野菜
くわいは、れんこんと並んで正月料理に欠かせない野菜の一つです。小さな球形から先のとがったくちばし状の芽が伸びている姿から、「芽が出る」と、昔から縁起をかつぐものとして、おめでたい席での料理に欠かせない野菜の一つである。
くわいの名前は「鍬(くわ)芋」の略で、地上に出ている葉と茎が農具の鍬に似ていることからきています。
くわいは、一つの根にたくさんの子がついています。その姿が母親が子供を慈しみつつ哺乳しているように見えるため、それを姑(しゅうとめ)にたとえて「慈姑」という字が当てられた。
世界で野菜として栽培しているのは原産地の中国と日本だけで、日本には奈良時代に中国から伝来したといわれています。京都での栽培は1586年(天正14年)豊臣秀吉が京都を外敵から守るために築いた「御土居」に大量
の土が運ばれた跡が湿地になり、そこでアイ(藍)をつくり、その裏作にくわいを栽培したのが始まりという。
<品種>
◆青くわい
形は円球形でつやのある美しい青みを帯びた色で青くわいと総称され、独特のほろ苦さ、ホクホクした食感が持ち味です。普通
一般に多く出回っているのは青くわいです。
◆白くわい
形は楕円形で、外皮は白色で、食味は淡白であります。別名、支那くわいともいう。主に中国で生産されており、日本での生産は少ない。
◆吹田くわい
小粒のくわいで肉質は微密で、苦みもなくくわいの中では、最も食味のよい品種。数が少なく、主に高級料亭で用いられる。別
名…ひめくわいとも呼ばれている。
<主産地>
1.広島、2.埼玉、3.愛知、4.大阪、5.新潟……など。
年末には、中国から輸入される。12月、石川県内では、羽咋市の神子原、金沢市の御所町、富山県の福光町から入荷します。
<出回り期>
8月ごろから翌春まで出回る。需要のピークは、12月中旬以降で、この時期に集中的に出荷される。
<選び方>
形がよくて皮の色が美しいもの。表面
に傷がなく、軸のつけ根がしっかりしていて芽のついたもので、それがすっきりと伸びているものがよい。水に長くつかっていてふやけた感じのものはよくない。
<保存法>
くわいの生産地では収穫後にドラム缶に入れ、水を張って貯蔵します。家庭でも水の中につけて冷暗所で保存すると比較的長くもちます。冷蔵庫の野菜室へは新聞紙に包んでさらにポリ袋に入れて保存し、蒸散を防ぎます。
<栄養価>
でんぷんが主成分。野菜の中では水分が少ないほうである。繊維は柔らかく、甘味とえぐ味あるのが特徴。また、粘質であるが、これはアラバンという物質による。ビタミン類の含有量
は少ない。わずかではあるがビタミンB12を含む、根菜としては特異である。
<調理のポイント>
正月には、芽が出るという縁起のよさも手伝って、おせち料理には欠かせない。煮物・酢の物などにする。そのほか、薄切りにして揚げたり、大きなものをおろしてだんごに丸めてゆでて、みそ汁の実に用いることもある。煮る場合は、米のとぎ汁で一度煮てアクを取り、冷水に入れて調理する。切り方は、くわいの芽に縦に切り込みを入れて外側を取り除き、底の部分を切り落とします。下から芽のつけ根に向かって縦に皮をむきます。この時六面
にむくと形がよく、すぐ水にさらします。
縁起物です。おせち料理に欠かせません!
くわい料理は、高級感を演出します!
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