クレソン




アブラナ科
原産地…ヨーロッパ

肉料理の 血液酸化防止に効果!!

 
クレソンの原産地は、ヨーロッパで、現在は世界各地に帰化植物として野性化しています。
 和名はオランダがらし、オランダみずがらし、西洋ぜり、クレソンと呼ばれ、英語ではウォータークレスといいます。農水省は統一名称としてクレソンと決めました。クレソンはフランス語である。
 ヨーロッパには「肉食は思想と知恵を鈍らせ、菜食は人を温和にし賢者をつくる」という考え方があるそうです。 ベジタリアン(菜食主義者)といわれる人達は、その考えに基づいた実践者なのだろう。
 また、ギリシャには「クレソンを食べて知恵を得よ」という言い伝えがあるそうです。
 科学的根拠はいざ知らず、有史以前から穀類を中心に野菜食をしてきた日本民族にとって、賢さの面では一歩も二歩も先んじた事になります。
 フランスでは14世紀、ドイツでは17世紀ごろから栽培利用が始まったといわれています。

 日本には明治3〜4年に渡来しオランダからやってきた辛みのある菜という意味で、オランダがらしと呼ばれたようです。はじめは外国人の料理用に栽培されていたが、これが逸出して全国各地に広まり、現在では各地のきれいな渓流沿いや池などに野性化し旺盛な生育をして、大きな群落をなしているところが多い。
 明治の初めに渡来したクレソンが、平地はもちろん高冷地の清流までも広く分布したのは、暑さにも、寒さにも強く、繁殖力が盛んであるからです。

 野生の物を採取して利用している場合もありますが、野生種から選ばれ、改良された品種を、水田などで栽培したものが市場に出荷されています。

 さわやかな香りとピリッとした辛みが特徴です。ステーキやハンバーグなどの付け合わせには欠かせない野菜で、外食産業の拡大とともに需要が伸び、また、近年は一般家庭でもサラダの素材として使われるようになってきた緑黄色野菜のひとつであります。

<主産地>
 山梨、静岡、神奈川、愛知、茨城、群馬県……など。

<出回り期>
 施設栽培も行われ周年安定して出回っています。春の鮮緑色のころが旬。

<選び方>
 葉先が紫がかった濃緑色で、茎が太く、葉は大きく、葉と葉の間が詰まっている物がよい。 初夏の頃には、花が咲き出すものがありますが、茎が硬くなり食味が落ちます。

<保存方法>
 牛乳パックなどを利用して水を入れて茎を挿し、葉は乾燥させないようにポリ袋をかぶせ冷蔵庫で保存します。このとき、葉まで水につけるといたむので注意します。水はこまめに取り替え、なるべく早目に食べましょう。

<栄養価>
 クレソンの葉や茎にちょっぴり辛みがありますが、ワサビやダイコンなどと同じカラシ油配糖体のシニグリンという物質。酵素の働きで抗菌性の強い成分となります。
 肉食が多い場合の血液酸化防止に効果があります。また、抗菌作用もあります。
 クレソンは栄養価も高く、カルシウム、リン、鉄分などの無機質やビタミンC、カロチンが豊富に含まれています。
 ヨーロッパでは薬効も認められ消化、解熱に利用されています。


<食べ方>
 肉料理の添えもの、サラダ、スープなどに使う。
 和風料理では、おひたし、和えもの、天ぷらなどに用いるほか、味噌汁にしてもよいです。

<料理のコツ>
◆切り方
 茎の太い部分は硬めなので、食べやすい長さに手で折り、柔らかい葉先は摘みます。

◆水につける
 ボウルに冷水を張って茎の部分を水につけ、パリっとさせます。全体を水につけると葉が傷ついたり、いたんだりするので、葉の部分は水につけずに茎だけ水につけ、よく水気をきります。


◆加熱
 「ゆでる」沸騰したたっぷりの湯でさっとゆで、水に取ってザルに上げ、水気をよくきります。このとき、湯に塩少々を入れるときれいな緑色に仕上がります。 「炒める」短時間で火が通るので、手早く火を通し、生っぽいくらいで火を止めます。塩味がよく合います。