カリフラワー




(花椰菜)
(アブラナ科)
原産地・・・地中海沿岸

熱にも強いビタミンCがたっぷり
美容と健康に最適な野菜


 地中海東部沿岸が原産地で、ヨーロッパの西部や南部の海岸地帯に自生種が見られる。ブロッコリーと同系統のキャベツの仲間です。

 
紀元前にはこの野生種の花蕾を食べていたようで、15世紀ごろには栽培もされていたようです。ただ、18世紀まではブロッコリーとの区別 はなく、19世紀に入ってから、現在のように独立栽培されるようになりました。
 日本へはブロッコリーと同じ19世紀、明治時代になって導入され、ブロッコリーよりも先に人気が出て普及しました。
 和名でキャベツを甘藍(かんらん)と呼ぶことから花甘藍、花椰菜(花やさい)と呼ばれて親しまれています。
 昭和30年代の高度成長とともに、アスパラガス、セロリとともに「洋菜の3白」と呼ばれ、需要が飛躍的に伸びましたが、最近では緑黄色野菜のブロッコリーの人気に押されぎみです。しかし、カリフラワーはビタミンCが豊富で、しかも茹でたときの損失がブロッコリーよりも少ないのが特徴。
 おおいに見直したい淡色野菜です。

<品種>

◆白色カリフラワー
 日本ではカリフラワーといえばこの白いものがポピュラーです。これは周囲の葉で花蕾を包み込むように縛って栽培するためで、陽があたるとやや黄色みを帯びます。
◆紫色カリフラワー
 パープルカリフラワーと呼ばれ、ヨーロッパでよく見かける品種ですが、栽培が難しいため、冬場にごく少量 出回るくらいです。茹でると淡い緑色になり、栄養的には白色のものより優れています。
◆オレンジカリフラワー
 花蕾が鮮やかなオレンジ色のカリフラワーで、加熱しても色は変わりません。
 このほか黄緑色のカリフラワーもありますが、ブロッコリーと間違えやすいので日本ではあまり出回っていません。

<出回り期>
 周年出まわっていますが、キャベツと同じように本来は冬物野菜です。ですから一般 的な旬は晩秋から冬、11月〜3月です。しかし、北海道ものや長野の高原ものの夏のカリフラワーには秋のそよ風を感じさせ、結構美味しいです。また、秋蒔きで翌春どりの晩生種のカリフラワーを5月に食べると、味は最高です。

<主産地>
 @茨城 A福岡 B熊本 C愛知 D徳島 ……など。
 石川県産=松任、金沢、七尾市などから、5・6月、10月〜12月に出回ってきます。

<選び方>
 花蕾が硬く、こんもり球形のものが新鮮。
 全体にこんもりと盛り上がっていて花蕾が硬く締まっているもの。
 ずっしりと重いものを選びましょう。
 きれいなクリーム色で傷などがないものが新鮮です。茎にすの入っていないもの、乾いていないことも鮮度の目安になります。

<保存の方法>
 茎に水分を補いながら冷蔵保存します。
 カリフラワーはブロッコリー同様、あまり保存のきかない野菜の一つです。花蕾が開いてしまうと味も栄養も半減するので、できるだけ早く食べてしまいたいもの。
 茎に湿らせたキッチンペーパーを巻き、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ入れますが保存は3〜4日。長期の場合は茹でて密閉容器に入れ冷凍保存する方が安心です。

<栄養価>
 栄養成分はブロッコリーに若干劣るものの、その他の野菜に比べれば優れています。ビタミンCは、カリフラワー100gで1日に必要な摂取量 を摂ることができるうえ、加熱による損失が少ない野菜です。また、ビタミンB1、B2も豊富で、食物繊維はキャベツや白菜よりも含有量 があります。
 消化管の働きを活発にするほか、栄養素の吸収をよくし、腸内の環境を改善して発ガン性物質などの有害物質を排泄させます。また、疲労回復、ストレス解消、美容にも効果 的です。

<食べ方>
 くせのない淡白な味、さっくりした歯触り。「はなやさい」ともいわれるので食用にしているのは花と思いがちですが、茎の頂きに1つだけつける花蕾とよばれるつぼみの集まりを食べているのです。
 サラダ、和え物、スープ、グラタン、シチュー、炒め物など。

<調理のポイント>
◆切り方
 外側の葉をきれいに取り除きます。茎の周囲に包丁の先を差し込んで切り込みを
入れ、茎の芯の部分と一緒に葉を取り除きます。花蕾だけになったら水の中に茎を上にしてしばらくつけて汚れを落とします。
 小房に分けるときは茎に包丁で切り込みを入れてその部分から手で割るようにすると、花蕾がきれいに分かれます。

◆加熱
 ゆでるときは、水で溶いた小麦粉やレモンの輪切りをゆで汁の中に加えると、白くきれいにゆでることが出来ます。小麦粉の代わりに牛乳少々でも効果 がありますが、後の料理の味に影響がある場合は塩とレモン汁だけでゆでてもかまいません。ただ、最近のカリフラワーは流通 が迅速に行われるため、とても白くきれいな物が多いので、そのまま塩ゆでしても白くゆで上がります。鮮度の善し悪しをみて、ゆで方を変えるようにしましょう。